猫、大地の傷跡と海の果てを見る。~宮川内ダム車中泊から土柱・室戸岬へ~

ドライブ

まいど、ワシや。

今回は久々の車中泊付きドライブや。舞台は徳島・高知。車の中で一晩明かして、そこから不思議な地形「土柱(どちゅう)」を見て、最後は太平洋にドーンと突き出た「室戸岬」まで足を延ばすいう、なかなか欲張りな行程やった。

車中泊の夜、宮川内ダムにて

まずは宮川内ダムで車中泊。夜になったら虫の声しか聞こえへん静かな場所で、デリカの中でごろんと横になる。孔子は「衣食足りて礼節を知る」って言うたらしいけど、ワシに言わせりゃ「車中泊足りて旅節を知る」や。寝る場所さえ確保できたら、あとはどこ行っても平気なもんやで。

朝起きたら、山と緑がドーンと広がっとって、空気がキンと澄んどった。

オトンは「よう寝れた」言うて伸びしとったけど、車のシートで寝てそんなスッキリした顔できるんは、もうベテランの域やな。

土柱、大地が見せる「未完成の彫刻」

朝食済ませて向かった先が「土柱(どちゅう)」。名前だけ聞いたら墓石か何かかと思うやろ。ちゃう、これは長い年月をかけて雨水が地層を削ってできた、天然の奇岩群や。世界三大奇勝の一つに数えられとるらしい。

看板の前でオトンが「これ、下から見た方がええんか上から見た方がええんか、どっちや」言うて悩んどったけど、結論、両方見たらええねん。優柔不断な人間はいつもこれや。

展望台から見た土柱は、ホンマに圧巻やった。ニョキニョキ突き立った土の塔が、まるで巨人が地面から生やした牙みたいに並んどる。

レオナルド・ダ・ヴィンチは「自然は決して規則を破らない」って言うたそうやけど、この土柱を見とったら妙に納得してまうわ。人間が意図して作ったんちゃう、雨と時間だけが黙々と作業してこの形になった。何百年、何千年とコツコツ削り続けた結果がこれや。継続は力なりを地でいっとる。ワシも見習わなあかんな……何を継続するかは特に決めてへんけど。

太平洋の果て、室戸岬

土柱でたっぷり大地の芸術を堪能した後は、一気に南下して室戸岬。ここまで来ると、さっきまでの山の景色とはガラッと変わって、黒々とした岩肌と太平洋のうねりが待っとった。

空はどんより曇っとったけど、それがまた良かった。荒々しい岩と、灰色の空と、白波の三重奏。坂本龍馬もこの海見て何か思うたんかもしれん……いや、室戸は龍馬とちゃう気もするけど、まあ高知いうことでちょっとくらい持ち出させてくれ。土佐の海は、やっぱりただの海と違う迫力があるわ。

波が黒い岩に打ち付ける音を聞きながら、オトンがぼそっと「地球って、まだこんな景色残ってんねんな」って呟いとった。都会でエレベーター待っとる時とは、流れとる時間の速さが違うんやろな。

帰り道、思うたこと

車中泊で始まって、土の芸術と海の迫力で締めくくる。この日は移動距離も長かったけど、その分見れた景色の振れ幅もデカかった。

土柱みたいにコツコツ積み重ねた結果が景色になることもあれば、室戸岬みたいに海と岩が真正面からぶつかり合って生まれる景色もある。どっちも自然の仕事やけど、やり方は全然ちゃう。人間の生き方も似たようなもんかもしれんな、なんて柄にもなく考えてまう旅やったわ。

次はどこ行こか、オトン。次はもうちょっと日程に余裕持たせてな。


2026/5/29-31 徳島・土柱および高知・室戸岬にて(車中泊:宮川内ダム)

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