猫、ニラの海に沈む。~ニラそば番外編~

番外編

まいど、ワシや。

番外編第二弾は「ニラそば」や。名前だけ聞いたら地味そうやろ?せやけど目の前に運ばれてきたブツを見て、ワシは思わず二度見してもうたわ。

麺、どこや

鉄板の上で、湯気と一緒にジュージュー言うとるこの一皿。

見た目からしてもうニラの圧が凄い。「ニラそば」いう名前やのに、麺よりニラの方が主張激しすぎて、正直「これニラの上にちょっと麺が乗ってるだけちゃうか」ってツッコミたくなったわ。孔子は「名は体を表す」とは言うてへんけど、誰かがどっかで言うたその言葉、ここでは半分しか正解やない。名前は「そば」でも、体は完全に「ニラ」やった。

湯気と一緒に立ち上る香ばしい匂いは、肉と醤油だれとニラが渾然一体となっとって、鉄板の上でジュウジュウいう音を聞いとるだけで腹が鳴る。豚肉、人参、モヤシっぽい具材もちゃんと隅の方で存在をアピールしとって、脇役たちの仕事もしっかりしとった。

ニラという野菜の哲学

そもそもニラいうのは、スタミナ野菜の代表格や。中国の古典にも「五辛」の一つとして数えられるほど、昔から精をつける野菜として重宝されとる。ニーチェが「なんじを殺さないものは、なんじをより強くする」って言うたらしいけど、ニラの匂いに関してはむしろ「なんじを強くしすぎて周りが離れていく」いう副作用付きのやつやな。

そんな精をつける野菜を、これでもかと山盛りにした一皿。食う前から「これ食うたら明日パワー漲るやろな」いう安心感があった。

麺との絡み具合

麺は中太のちぢれ麺で、これがまたニラや肉の旨味だれをしっかり吸い込んどる。麺だけ食うても十分うまいのに、そこにニラのシャキッとした食感と香りが乗っかってくるから、箸が止まらん。

ニラそばいうネーミングに最初はちょっと肩透かし食らった気分やったけど、食い終わる頃には「これはニラそばで正解や、むしろニラを主役にした方がええ」って完全に納得しとった。デカルトは「我思う、ゆえに我あり」言うたけど、ワシは「我ニラ食う、ゆえに我満腹なり」やった。

また食いたくなる、あの匂い

食後もしばらく口の中にニラの香りが残っとって、それがまた不思議と心地ええ。ガツンとくる満足感と、ニラ特有のクセになる後味。番外編ながら、この一皿もしっかりワシの記憶に刻まれたわ。

高知の鰹のタタキに続いて、また旅先の食で満たされた回やった。次はどんな番外編が待っとるか、ワシも楽しみにしとるで。

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